致知出版社代表取締役の藤尾秀昭氏が監修し、各界各様の著名人から得た言葉を選び出し、一冊の本にまとめあげたのが「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」である。
その貴重な言葉を私も読んで得たもの感じた事をご紹介させていただきます。皆さんにも参考になればと思い記事にしました。
「鈴木大拙の風韻」 岡村美穂子 大谷大学非常勤講師
鈴木大拙(すずきだいせつ)は1870年11月石川県金沢市主審の仏教学者、文学博士です。
禅についての著書を英語で著し、日本の禅文化を海外に紹介した方としても有名です。
岡村さんは、その鈴木先生(当時81歳)がニューヨークの仏教界で講演された時に15歳で聴講しており、その場面から話は始まります。
少しでも先生の関心を引きたい、と思った私は最後の講義の日、休息時間に先生が一人でおられるところを見計らって、英語でこう質問したのです。
「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」8月21日より
「先生。世の中にたくさんの宗教があるでしょう。だけど究極的には同じことを言っているんじゃないですか」
私としては知恵を絞り、精いっぱいの質問をしたつもりでした。
そのとき、先生は、何とも言えない優しい顔をされて、遠いところを見るような眼差しで「ノー」、つまり「同じところには到達しないよ」とおっしゃったのです。
先生はそれ以上詳しく説明はされませんでしたが、・・
岡村さんは、先生が「イエス」と言ってくれるものだと思い、ひどく驚いたようです。
その後、岡村さんは答えを説明してもらうために、先生の宿泊している所を訪ねました。
先生と気軽に話せる雰囲気から、岡村さんは日頃の悩みや不満を聞いてもらう事になったそうです。
私は先生に、「人が信じられないのです。生きていることが空しいのです」と訴えました。
「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」8月21日より
すると先生は一言、「手をだしてごらん」とおっしゃりるのです。先生は私の手を広げながら、
「きれいな手じゃないか、美穂子さん。仏の手だぞ」
「仏の手じゃないか。何でそんなにブツブツ言うのか」
そう言って涙を浮かべておられるのでした。
結局、前日に「ノー」とおっしゃった事にたいしての説明はなかったようです。
しかし、岡村さんは先生から発せられる空気に触れて、その意味を感じたそうです。
「う~ん」、深い話なので正直私には理解できませんでした。
しかし、仏にもいろいろあり、不満を言う岡村さん自身も仏であると言ったのではないでしょうか。
だからこそ、到達点もそれぞれあり、考え方も一つではないのではないかと私は考えました。
そして、仏である岡村さんの手を広げ、品格を持って先生は優しく諭してあげたのではないでしょうか?
はたして、これが岡村先生の伝えたかったことなのかは不明ですが、宗教の事のみならず全宇宙的な視野で考えられたのではないのかと、私は勝手に解釈しました。
皆さんも興味があったら、いちど手に取って読んでみてください。
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